髪の色を決定付けるメラニン色素。
メラニン色素には大別すると
ユーメラニン(真性メラニン)とフェオメラニン(亜メラニン)
の2種類がある。
ユーメラニンは色の濃淡を決定付け、
濃いほど黒髪になり、
フェオメラニンは濃いと茶色、赤褐色、濃度が薄ければ黄色になる。
ちなみに髪を脱色するにはオキシドールを使うなりして酸化させるが
化学的に安定していないユーメラニン(黒)がまず破壊され
フェオメラニン(茶)が残り、茶髪になる。
そんなメラニン色素を含む細胞が化石として残っていたと
英ブリストル大や中国科学院などの研究グループが
28日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表したという!
ナショナルジオグラフィックニュース(2010年1月28日)
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2010012804&expand&source=gnews
羽毛化石が多産することで知られる中国・遼寧省で
出土した羽毛恐竜「シノサウロプテリクス」
。
1995年に発見されたこの化石は
恐竜がはじめて羽毛の生えていたことが実証され、
世界を驚愕させたことで有名な化石だ。
このシノサウロプテリクスの首から背筋、尾にかけて残っていた
羽毛化石を電子顕微鏡で詳しく観察したところ
赤色から黄色を発色する「フェオメラニン」が
含まれていたことを確認した。
そして「ユーメラニン」の存在は確認できなかったという。
ということは
シノサウロプテリクスは
赤や黄色といった暖色系の羽毛の色をしていた
可能性が極めて高いということになる。
今まで、
絶滅して化石となった恐竜の体色は、
地層中の化石に様々な成分が染み込んで、
色の判別は不可能とされてきたが、
ごく一部であるもの、色の特定ができたことは
恐竜の実像に迫る新たな道を切り開く材料であることは
いうまでもない。